國分 第1回はとにかく大変でしたね。何しろ、運動会の基本である競技種目を決めるのも手探りです。試行錯誤の結果、北海道和寒町発祥のスポーツ玉入れ「AJTA(アジャタ)」や、厚真町で生まれた綱引き「あつま国際雪上3本引き」の屋内版といったユニークな競技、運動会の定番「大縄跳び」、札幌ドーム館内の特設コースを走るファンラン「スタジアムラン・リレー」などを取り入れました。さらに、ウィンタースポーツ、パラスポーツ、北海道ゆかりのスポーツなどさまざまなスポーツの魅力に触れられる体験コーナーなど、各種コンテンツをミックスした新しいカタチのイベントを立ち上げていきました。
天崎 全国的にも類を見ない新しいイベントだったので、実はプロジェクトメンバーでさえもなかなかイメージが湧かない状態からのスタートでした。最初は本当に成立・実現するのだろうか?とみんな半信半疑だったんじゃないかと思います。一歩間違えれば失敗や赤字になりかねないので、前例がなく手探りで進めなければならないことは正直かなりのプレッシャーでもありました。
國分 競技参加エントリーを開始してから6日後に、北海道胆振東部地震が起きました。甚大な被害を受けた厚真町にも「3本綱引き」の競技で協力をいただいていましたし、参加者のみなさんもそれどころではないのではないかという懸念もあり、イベント開催自体をどうするか判断を迫られました。
天崎 一旦はイベント開催自体が難しい状況に追い込まれましたが、参加料の全額を震災復興のチャリティとするという方針を早期に打ち出してリスタートしたことで、イベントの開催意義がより明確になりました。その結果、多くの方々の支えを得て、無事開催にこぎつけることができました。
國分 チャリティ(義援金の寄付)の他にも、被災した東胆振地区の特産品をはじめとした物産コーナーも会場に設けることで、「買うこと」「食べること」で被災地の支援につなげるといった取り組みも行いました。被災地への想いを届けようという皆さんの思いが結集し、心配していた参加数も伸びていきました。
天崎 イベントの理念やビジョンをプロジェクトメンバーや協賛企業と分かち合い、ともに頑張れたことで想像以上の一体感が生まれました。そのことが、事業実現・成功に向けた強力な推進力になったと思います。